大会長挨拶

海道利実先生

第13回日本サルコペニア・フレイル学会大会

大会長 海道 利実

 この度、第13回日本サルコペニア・フレイル学会大会を、2026年10月31日(土)・11月1日(日)の両日、シェーンバッハ・サボー、JA共済ビル(東京)にて開催させていただくこととなりました。本学会は第1回から第3回までは研究発表会でありましたが、2017年の第4回から学会大会となり、今回、節目である10回目の大会を主宰できますことを、大変光栄に存じます。開催にあたり、日頃より学会活動を支えてくださっている会員の皆様、役員・理事の先生方、そして日々現場で患者・地域に寄り添っておられる多職種の皆様方に、心より感謝申し上げます。

 さて、本学会大会のテーマは、「貯金と貯筋で健康長寿を!筋労感謝の日~サルコペニア・フレイル研究の最前線~」といたしました。なお「貯筋」は、福永哲夫先生(東京大学名誉教授、早稲田大学名誉教授、鹿屋体育大学名誉教授、順天堂大学客員教授)の商標登録です。

 「貯金」と「貯筋」という響きの類似には、人生をより豊かに、健やかに生きるための二つの“蓄え”という意味を込めております。金融資産を計画的に積み立てるように、筋肉という身体的資産を日々の生活の中で少しずつ蓄積していくことが、健康長寿を実現する上で極めて重要です。また「筋労感謝の日」という副題には、学会開催が例年11月ということもあり、私たちの身体を支え、日々の活動を可能にしてくれる筋肉に感謝を捧げ、その働きを労うという想いを託しました。ユーモラスな表現の中にも、サルコペニア・フレイル対策の本質を、より身近に、そして楽しく感じていただける契機となりますような願いを込めました。

 さらに、本テーマの根底には、聖路加国際病院名誉院長・日野原重明先生が提唱された「健康長寿」の理念が息づいております。日野原先生は、「人は何歳になっても成長できる」との信念のもと、生活習慣の改善、社会参加、心身の調和の大切さを生涯にわたり説かれました。サルコペニアやフレイルの予防・克服は、まさにこの理念を科学的・実践的に具現化する取り組みであり、人々が自立と尊厳を保ちながら生涯を全うするための基盤であります。

 本学術集会では、基礎研究から臨床応用、さらには地域・社会との連携に至るまで、サルコペニア・フレイルに関する最新の知見を網羅的に取り上げる予定です。医学・薬学・歯学・看護・リハビリテーション・栄養・介護・福祉など、多職種が一堂に会し、学際的な議論を深めることで、臨床現場への還元と社会的実装を目指します。また、若手研究者や臨床家の積極的な発表を歓迎し、次世代の人材育成にも力を注ぎたいと考えております。

 また私は常々、「一医師である前に、一社会人であれ」との信念のもと、人間教育や“人財”の大切さを説いています。そこで今回、特別講演としまして、医学以外の世界からご高名な方々をお迎えし、人材育成やダイバーシティ、接遇の話など普段聞くことができないお話を賜りたいと考えておりますので、どうぞお楽しみください。

 さらに今回は、「おもてなしの心」を大切にした運営を心がけております。参加者の皆様に、学びと交流の時間を快適に、そして心温まるものとしてお過ごしいただけるよう、スタッフ一同が一丸となって準備を進めております。学会という場が、知識の共有だけでなく、互いを尊重し支え合う“心の交流”の場となりますことを願っております。

 本学会大会が、サルコペニア・フレイル研究の更なる発展と、多職種連携の深化、そして健康長寿社会の実現に寄与する契機となりますことを心より願っております。多くの皆様のご参加を心よりお待ち申し上げます。